BMW 4シリーズグランクーペ ▲カーセンサーEDGE 8月号の連載「EDGEセカンドライン」で取り上げたBMW 4シリーズグランクーペについて、また別の角度からその魅力と中古車相場を検討してみます!

同じ4ドアでも3シリーズとは何がが違う絶妙フォルム

こちらは、雑誌「カーセンサーEDGE」で8年以上続いている自動車評論家MJブロンディ(永福ランプ)さんの長寿連載「EDGEセカンドライン」のB面。すなわち、その企画の担当編集者から見た「同じ車の別側面」だ。

第14回目となる今回は、2020年6月27日発売のカーセンサーEDGE 8月号で取り扱った「BMW 4シリーズグランクーペ」のB面をお届けする。

まずはBMW 4シリーズグランクーペという車についての超基本的なご紹介を。

日本では2014年6月に発売されたBMW 4シリーズグランクーペは、2ドアクーペとカブリオレに続く「4シリーズの第3弾モデル」として登場したモデル。新車時のプレスリリースによれば、「BMW初のプレミアムクラスの4ドアクーペ」だとされている。

ただ、実際のボディ形状は厳密に言えば4ドアクーペではなく、後部にハッチゲートを配した「5ドアハッチバック」。とはいえ、なだらかで優雅なそのフォルムは「4ドアクーペ」を名乗るにふさわしいものであることは間違いない。

ボディサイズは、2ドアの4シリーズクーペと全長と全幅は同じだが、車高は12mm高く、ルーフパネルは後方に112mm延長されている。この延ばされたルーフがなだらかに下降すると同時に、サッシュレスのガラスエリアを採用したことで、4シリーズグランクーペは、同じ4ドアの「3シリーズ セダン」とはかなり違う、どこかしゃれたイメージのスタイリングになっているのだ。

初期モデルの搭載エンジンは2種類の2L直4ターボ(184psと245ps)と、3L直6ターボ(306ps)。トランスミッションはすべて8速ATが組み合わされている。

2016年4月にエンジンを新世代のモジュラーエンジンに変更し、2017年5月には、新デザインのLEDヘッドライトやLEDテールライトを採用するなどのマイナーチェンジを行った。

2020年6月下旬現在、中古車の流通量は全国286台で、マイナーチェンジを挟んで前期型と後期型の割合は、ほぼ半々というか、後期型の方が若干多いという状況。特に2019年式の流通量が多く、その大半は走行数千km程度の「元ディーラー試乗車」であるようだ。
 

BMW 4シリーズグランクーペ▲同時期のBMW 3シリーズセダン(F30)との違いは、微妙といえば微妙。しかしルーフ形状などの微妙な差異が、実はかなり大幅な「異なる印象」を作り出しているBMW 4シリーズグランクーペ
BMW 4シリーズグランクーペ▲車名は「グランクーペ」だが、実際のボディ形状は、写真のとおりの大きなハッチゲートを採用している、欧州車には多い「5ドアハッチバック」となる

モデル末期の車に総額300万円以上投じるのはやや微妙だが

では本編へとまいろう。すなわち「中古のBMW 4シリーズグランクーペは果たして今、買いか否か?」という、かなり直截な議題である。

結論としては「買い!」なのではないかと、筆者は考えている。

ただしそれは「総額200万円台ぐらいの物件限定」での話だ。

2020年6月下旬現在、BMW 4シリーズグランクーペの中古車相場は総額200万~500万円ぐらいなのだが、これはあくまでモデル全体の相場。物事をもう少し細かく分けてみた場合の相場は、おおむね下記のとおりとなる。

●総額200万~299万円|まずまず好条件な420i系が探せるゾーン
●総額300万~399万円|かなり好条件な420i系が探せるゾーン
●総額400万円~|ほとんど新車みたいな420i系が探せるゾーン


なお4シリーズグランクーペには、最高出力184psの2L直4ターボエンジンを積む420i系各種の他に、同じ2Lでもより高出力な428i/後期435iや、3Lの直6ターボを積む前期435i/440iなども存在する。だがそれらの中古車流通量はかなり少ないため、本稿では思いきって扱いを省略したい。すみません。

で、上記3つのプライスゾーンのうちからどれを選ぶかは、もちろん個人のご自由である。しかし筆者の私見を述べるとするならば、もはやモデル末期といえる現行型4シリーズ グランクーペに「総額300万円台」というそれなりの大枚を投じるのは、正直ちょっとどうかと思う。

それだけのマネーがあるのなら、それを元手に、2019年3月に登場したばかりの現行型BMW 3シリーズを買って乗り回した方が、何かと満足できるような気がしてならないのだ。

そして総額400万円以上という超大金を投じるのも、個人的にはもってのほかである。そんなカネがあるならばおとなしく定期預金でもしておくか、もしくは、近々登場しそうな「次期型4シリーズ グランクーペ」を買うための頭金として地味に温存させたい。あくまで個人的な感覚でしかないが、これはもう(筆者にとっては)絶対である。

しかし「総額200万円台」であるならば――話はずいぶん違ってくる。
 

BMW 4シリーズグランクーペ▲写真はオプションのホワイトレザーシートが装着されているが、4シリーズ グランクーペのインテリアはおおむねこのようなデザイン
BMW 4シリーズグランクーペ▲後席乗員の頭がつっかえそうなルーフ形状ではあるのだが、頭部が当たる部分は天井が少々高くなる室内デザインになっている。シートは40:20:40の分割可倒式

総額200万円台ならばすべてに納得できるはず?

現在、総額200万円台で狙える現行型BMW 4シリーズグランクーペのイメージは――より具体的に言うと200万円台半ばの「総額250万円ぐらい」で探せる4シリーズ グランクーペは、おおむね下記のイメージとなる。

2015年式BMW 420i グランクーペ Mスポーツ
車両本体価格228万円/支払総額248万円
走行3.2万km/ブラックサファイアメタリック/右H/AT/D車/ワンオーナー/禁煙車/修復歴なし
■問い合わせ:株式会社カーセンサーオート
tel.00-0000-0000


……これで十分ではないか。いやもう十分以上じゃないかと、筆者は思うのだ。
 

BMW 4シリーズグランクーペ▲420iに搭載される2L直噴ターボエンジンは、とりたてててパワフルだったりはしないのだが、それでもやはりBMW製ユニットだけあって回転フィールは良好。胸のすく加速感を堪能することができる
 

もちろん上記のプライス等は「イメージ」にすぎないわけだが、これと類似した条件の420iグランスポーツは多数流通している。多少の違いはあれど、おおむねこのようなスペックの1台を、総額200万円台半ばぐらいで入手可能なのだ。

当然ながら総額300万円台とか400万円台の予算を用意すれば、さらに好条件な1台が狙えはする。しかし前述したとおり、モデル末期の車に今さらけっこうな大枚を投じるのはやや微妙。

だが200万円台であれば「納得の範囲」であり、(2014年デビューゆえの)多少の古くささや、「もうそろそろ次期型が登場してしまうかも?」という心配についても、「でも手頃なプライスで買った車なんだから、まあいいか!」みたいな感じですべて許せてしまう。

そしてそれでいて、伸びやかなルーフとハッチゲートが織りなす4シリーズ グランクーペならではの絶妙なフォルムは、いまだ存在感十分。そしていわゆるエリート感も、言ってはなんだが十分だ。

総額250万円前後の予算感で、まずまず好条件なBMW 4シリーズグランクーペの中古車を買うこと。それは輸入車、特にドイツ車を好む者にとっては「かなりいい買い物」なのではないかと思っているのだが、貴殿らにおかれてはいかがお感じだろうか?
 

▼検索条件

BMW 4シリーズグランクーペ×総額300万円未満×全国
文/伊達軍曹、写真/BMW
伊達軍曹

自動車ライター

伊達軍曹

外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル XV。