▲ヨーロッパで人気のオーリス。それにはちゃんと理由があった! ▲ヨーロッパで人気のオーリス。それにはちゃんと理由があった!


1日で見かけない日はないほど売れているプリウスですので、日本で走るならプリウスを買っておけば間違いないと思っていませんか? でも地域によってはそうではないんです! 最も売れている車だけあって、プリウスは日本の道路事情にマッチしたとても良い車です。しかし日本でも、地域によってはプリウスより良い選択肢があるんです。

ヨーロッパで大人気のオーリス! これが今回オススメしたい車です。

その理由は交通事情にあります。日本は交通量が多いうえに信号が多く、道も狭いので、停止している時間がとても長い。そのため、ストップアンドゴーが中心の運転になってしまうのです。これにより、車を快適に運転するためには、発進時のスムーズさが重要な要素となっています。そういった意味でプリウスは抜群にいい車なのです。

しかし、日本でもそんな場所ばかりではありません。郊外では農道や林道なども多く、止まっているよりも走っている時間が長いエリアもあり、その場合には走っているときの快適性がなによりも重要になってきます。その走行時の快適性で、オーリスは素晴らしい性能を発揮しているのです。

実は、これがヨーロッパでオーリスが大ヒットした理由です。

販売台数4位!オーリスは事実ヨーロッパで売れている!

事実、競合ひしめく欧州(ヨーロッパ)Cセグメントで販売台数4位(2014年度)を獲得し、2016年度には約14万台という販売台数を記録しました(日本では累計でも約10万台)。Cセグメントとは欧州を中心に使われている車両サイズの区分けで、大まかに全長で分けられ、短いものからA、B・・・Fセグメントと分類されます。

その中でオーリスが入るCセグメントは、小型セダンや中型ハッチバックが含まれ、ヨーロッパで最も人気のあるクラス。競合車種にはVWのゴルフがあり、そんな激戦区で、現地では輸入車にあたるトヨタ オーリスが4位となりました。

オーリスがヨーロッパで売れている理由

実績はさておき、なぜ日本ではお世辞にも大ヒットとは言えない車がヨーロッパで売れるのでしょうか? その理由は、車を同じ移動の手段としてとらえたとき、求める性能が違うから。その違いは道路事情からくるものが多くあります。

例えば交差点、日本では信号機が十字に並び自動車を停止させることで安全を確保しています。一方ヨーロッパでは、環状交差点、英語ではラウンドアバウトという信号機のない交差点が一般的。これは、止まらないことで安全を確保するという考え方に基づいています。

▲ヨーロッパで一般的な環状交差点(ラウンドアバウト)。写真はスペイン広場 ▲ヨーロッパで一般的な環状交差点(ラウンドアバウト)。写真はスペイン広場

その他、高速道路にも違いがあります。日本では100kmが最高速度ですが、ヨーロッパでは130km、さらにドイツ、オーストリア、スイスにまたがるアウトバーンという高速道路では最高速度が無制限となっているのはあまりにも有名な話かもしれません。

こうした違いは、車に求める性能に違いを生み出しました。日本では、ストップアンドゴーの性能や燃費、静粛性などが重視され、ヨーロッパでは高速時の快適性や、ハンドリングの性能、長距離移動時の快適性などが重視されるようになりました。

トヨタがヨーロッパに進出するにあたり、こういった違いを徹底的に研究した結果生まれた車がオーリスなのです。トヨタの社長がことあるごとに言っている「もっといい車」は、文化や様式によって大きく違っていたのです。

足回りも良く、高速や長時間の運転も快適。車の大きさは現行型プリウスよりやや短い程度(全長で約25cm、全幅、全高はほぼ同じ)。さらに、オシャレな欧州車にまじっても見劣りしないデザインのオーリスは、トヨタの欧州市場戦略車となりました。

▲長時間乗ることも多いため、内装も上質で飽きのこないものが求められるのが欧州車の特徴 ▲長時間乗ることも多いため、内装も上質で飽きのこないものが求められるのが欧州車の特徴

同じヨーロッパでも求められる車が違う

実は一口にヨーロッパと言っても、求められる車が違っています。ドイツなど、長距離移動が中心になる場所では先ほどの説明どおり走行時の快適性が重視されますが、イタリアやフランスでは石畳の道路などがいまだに現役のため、荒れた路面での快適性が求められます。プジョーの猫足やシトロエンのハイドロはそのために開発された性能です。

そういったことを考えると、同じ日本でも都心と郊外では道路事情が変わってくるため、求められる車も変わってくるのです。人気車だからと飛びつかず、最善の選択をすることをオススメします。

いま、オーリスの中古車市場に変化が……

2012年8月に登場した1.5Lと1.8Lの現行型に、今年から1.2Lターボと1.8L+モーターのハイブリッドが追加されたことにより、在庫が増加し300台を超え。それにより平均価格が2カ月で約10万円下がるダウントレンドになってきました。

最安値帯は1.5Lガソリン車を中心に総額120万~130万円台、その走行距離を見てみると3万km以下と状態の良いものが目立ちます。5年落ち以内で状態のよい在庫が150万円以内で手に入れられるというのはなかなかコスパが良いように思います。

グレードはマイナーチェンジ後も含めるとかなりの数がありますが、現在中古車市場に多く出てきているのは、マイチェン前の車。どうしてもハイブリッドやターボがいい! という方以外は、ベースグレードとなる150Xを中心に選んでいけば問題ありません。

というわけで、普段あまり信号に引っかからずそこそこ長時間運転する欧州的使いかたをしている人には、まだまだ走れる状態の良い中古のオーリスは、日本でもオススメなのです。ぜひ一度検討してみてはいかがでしょうか?

▲台数は少ないもののマニュアルも選ぶことができます。※2016年9月28日時点のカーセンサーnetで20台 ▲台数は少ないもののマニュアルも選ぶことができます。※2016年9月28日時点のカーセンサーnetで20台
▲2016年4月にハイブリッドモデルが追加された。プリウスとは一味違うスポーティなハイブリッドカーとなっています ▲2016年4月にハイブリッドモデルが追加された。プリウスとは一味違うスポーティなハイブリッドカーとなっています

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トヨタ オーリス(現行型)× 総額表示あり
text/編集部
photo/篠原晃一、TOYOTA、PIXTA