低需要≠低品質。30万円台から狙える不遇の逆輸入車
カテゴリー: 特選車
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2014/07/25
グローバル戦略の名のもとにタイで作られた2台の名車
トラヴィックの内装はまんまオペル ザフィーラです。キッチリカッチリした、我々がイメージするドイツ車っぽいデザインです
3列シートコンパクトミニバンで、3列目シートも思いのほか苦になりません。シートアレンジも多彩ですから、積載性もなかなかです
フィットをベースにトランクを装備した、フィットアリア。室内はフィット譲りで文句ありませんし、トランク容量は500Lとかなり広めです
フィットアリアのインテリアも当然、フィット譲り。コンパクトカーとして完成されていたゆえに、セダン用に作り替えるのに苦労したそうです
需要が低い=低品質ではありません!
車の出来は良いのに販売台数に結び付かない車って思いのほか、たくさんあります。新車時にさほどヒットしなかったものは、中古車でもなかなか人気は出ません。そうなると当然、需要が少ないのですから、価格を下げて商品力を強化せざるをえません。そんなリーズナブルな車の中で今回、注目したのはスバル トラヴィックとホンダ フィットアリアです。
いずれも国産メーカーながらタイで生産された、いわゆる“逆輸入車”です。もしかしたら、そんな出自がマイナスに働いたのかもしれませんが、車としての性能は決して劣っていません。日常の足になる、お買い得な車を探している方、必見です。
価格は安くても性能は必要十分
トラヴィックはGM傘下のオペル ザフィーラのOEM供給を受けたミニバン。一方のフィットアリアは、ある意味、白物家電のようなコンパクトセダンです。
トラヴィックはドイツで設計・開発され、GMが立ち上げたタイ工場で生産され、日本に輸出されました。タイの安い労働コストにより、車両価格は2.2Lモデルでも199万円。ドイツで生産されたオペル ザフィーラも当時、日本で販売されていたのですがこちらは1.8Lモデルで289万円でした。サイドエアバッグの有無こそあれど装備面での違いはそれくらいなのに、この価格差。リーズナブルさが武器だったのですが、販売面では苦戦しました。
しかしながら、ザフィーラの「4名乗車170km/h巡航」というコンセプトをしっかりと受け継いでおり、走りはなかなかのもの。ラインナップは3グレード(標準、スポーティなS、ラグジュアリィなL)で、装着していたエアロによってSは空力特性がCd値0.32から0.30へと低減。ミニバンらしからぬ高速安定性を備えています。
対して、フィットアリアは価格では勝負をしていません。東南アジアをはじめとしたいわゆる“新興国”向けのフィットをベースとしたコンパクトセダン戦略車。日本マーケットでもあえて販売したのは“挑戦”とさえ言えるでしょう。
結果として、販売成績は芳しくありませんでしたが、そもそもフィットのパッケージングは優秀なので、フィットアリアで文句が出るわけもありません。大人5名が普通に座れるのに加え、ボディサイズの割には広いトランクに驚かされたものです。
「良い物件があったら買う」がオススメ
平均車両価格を見てみると、トラヴィックは32万円で、フィットアリアは31万円(2014年7月20日現在)。カーセンサーアフター保証対象車であっても、総額50万円以下で狙えます。
特筆すべきは流通数でモデル全体で見ても、トラヴィックは22台で、フィットアリアは73台しかカーセンサーnetに掲載されていません。当然、アフター保証対象車より少ないです。もし気に入った物件があったなら、今のうちに手に入れておいたほうが良いでしょう。
誕生背景を含めユニークな個性と、お手頃な価格を併せ持つこの2台。ぜひチェックしてみてください。
※プランでCSA保証を付けた場合、総額50万円を超える場合があります