第96回:販売店に預けていた車が全損してしまったら!?
カテゴリー: 購入後のトラブル
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2009/03/10
Q.販売店に預けていた車が全損。損害賠償はどうなる?
車検で預けていた車が、販売店の手違いで事故で全損になりました。それなりの誠意を見せてほしかったのですが、相場に照らし合わせると50万円と言われました。これまでの思い出などもたくさん詰まった車です。全く同じものが無理なら新車で返してほしいのですが、可能でしょうか?
また、クラシックカーなど希少性が高く一般的な流通価格が定まっていないケースでは、同じ程度の車がオークションや個人売買などでどれくらいの価格をつけているのか、また、鑑定の専門家はどの程度の金額をつけるのかを明らかにできれば、その値段で損害賠償額が決まる可能性はあります。
それでは、全損になった車に高価な物が積んであって、それも事故の衝撃で壊れた場合はどうなるのか。このケースは、壊れた物によって対応が変わります。例えばそれが、カーナビだったとすると、車にカーナビが付いていることは予見できるので、賠償の対象になるでしょう。しかし、1000万円の骨董の陶器を積んでいたから、1000万円弁償しなくてはいけないかというと、そうではありません。普通の車にそんな高価な物が積んであるとは予見しづらいためです。予見しづらいことに関しては、過失相殺は認められる場合があります。
A.賠償されるのは中古車市場における流通価格と登録にかかる諸費用です
全損になった場合に請求できる損害賠償額は、原則として中古車市場における流通価格と登録にかかる諸費用、そして全損となった車の処分費用になります。加えて、新しい車が見つかるまでの期間に発生した代車使用料を請求することもできるでしょう。物損で慰謝料が認められるのは、被害者の愛情などが強く害された特別の事情がある場合だけです。例えば、ペットは法律上、物として扱われます。しかし最近では、死ぬことで飼い主の愛情が強く害された場合、精神的苦痛に対する慰謝料を認める判決も出ています。また、クラシックカーなど希少性が高く一般的な流通価格が定まっていないケースでは、同じ程度の車がオークションや個人売買などでどれくらいの価格をつけているのか、また、鑑定の専門家はどの程度の金額をつけるのかを明らかにできれば、その値段で損害賠償額が決まる可能性はあります。
それでは、全損になった車に高価な物が積んであって、それも事故の衝撃で壊れた場合はどうなるのか。このケースは、壊れた物によって対応が変わります。例えばそれが、カーナビだったとすると、車にカーナビが付いていることは予見できるので、賠償の対象になるでしょう。しかし、1000万円の骨董の陶器を積んでいたから、1000万円弁償しなくてはいけないかというと、そうではありません。普通の車にそんな高価な物が積んであるとは予見しづらいためです。予見しづらいことに関しては、過失相殺は認められる場合があります。
■ワンポイント法律用語■
全損(ぜんそん)
事故などで壊れた車の修理費用が、その車の経済的な価値(事故における流通価格)を超える場合をいう。この場合の賠償額は、市場における流通価格となる過失相殺(かしつそうさい)
損害賠償の金額を決めるとき、被害者側にも過失があれば、その過失を考慮して損害賠償金を減額すること。公平を図るために認められている日刊カーセンサーの厳選情報をSNSで受け取る
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