Q.晴れた日にチェックした車。購入後、悪天候で雨漏りに気づいた

ある中古車販売店で購入した車に乗っていたところ、雨漏りに気づきました。これでは乗れないので返品したいと販売店に言うと「チェックして納得の上買ったんでしょ」と返品を拒否されました。しかし、実車を見たのは晴れた日。雨は確認のしようがありません。それでも返品ってできないんですか?

A.非常に難しいですが、場合にっては瑕疵担保責任を問えることがあります

まず、雨漏りに気づいたのがどの時点かによるでしょう。購入後、月単位が過ぎている場合には、本当に購入時から雨漏りがあったことを証明するのは簡単ではありません。ただし、買って1週間以内くらいならば、元々雨漏りがあったということで、修理などの交渉の余地はあると考えられます。しかし、基本的には返品ではなく修理という形になるのではないでしょうか。

あまりに雨漏りがひどい場合には、走行性能にかかわると考えられ、返品が認められる可能性もあるでしょう。その場合はシートなど内装の汚れ具合で雨漏りがあったことは一目瞭然のはずです。店側としても気づくべきだと思われるので、重要事項の不告知も考えられます

ちなみに、住宅などでは一目で分からないような雨漏りは隠れた瑕疵にあたります。その理論で言うと、中古車でも雨漏りしているという事実があるのに全くこん跡がなければ、隠れた瑕疵と認定される可能性があります。この場合は、瑕疵担保責任によって損害賠償の請求や契約自体をキャンセルすることができます。とはいえ、雨漏りを隠れた瑕疵かどうか判定するのは、簡単なことではありません。一般的に素人ではそれを証明するのはきわめて難しいでしょう。

少量の雨漏りでもピラー回りや天井をよく見ると、シミや汚れがある場合があります。その場合は、雨漏りがあるかどうかを店員に確認。必要であれば、修理や保証などの約束を一筆書いて貰うなど、事前のチェックと対策をしっかり行っておくことが重要です。
第84回:購入後に雨漏りを発見してしまったら!?|渋滞ができる法律相談所
illustration/もりいくすお

■ワンポイント法律用語■

重要事項不告知(じゅうようじこうふこくち)
消費者契約法では、勧誘に際して目的物の質などの重要事項に関し、事業者が消費者の利益になる旨を告げ、不利益な事実を故意に告げなかった場合、誤認した消費者は申し込みを取り消すことができる
瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)
買い主に過失がない状態で、売買の目的物に隠れた瑕疵(欠陥)があることを知らなかった場合、買い主は売り主に損害賠償の請求が可能になる。また、売買の目的が達することができないときは、契約を解除することができる