Q. 相場は下がらないと言われたから買ったのに・・契約取り消しできる?

この車種は人気なので、これ以上売値相場は下がらないと言われたのに、購入後に同じような車がもっと安値で売っていた。契約の取消しは可能ですか?

A. 言い切っていた場合は『断定的判断の提供』の可能性もありますが、店員個人が可能性に言及しただけならば、契約の取消しは難しい

基本的に中古車は一物一価。同じ車種で同じグレード、同じカラーであっても、値段推移に関して断定的な表現はできないはずです。これ以上安くならないと言い切ったのであれば、『断定的判断の提供』にあたり消費者契約法に反する恐れがあります。この場合は、契約の取消しが可能です。

ただし、他店と比較した事実や最近の値段の推移などの事実を伝えて「これ以上下がる可能性は低い」など、あくまでアドバイスとして伝えた場合には、最終的には自分の判断で購入したと見なされます。

また、自分の購入価格よりも安値で車を売っていた販売店が、閉店セールなど特別な事情で安く販売していた場合、「相場」が下がった訳ではないので取消しはできないでしょう。
「断定的判断の提供」があった、ということについて法的には契約を取り消そうとする消費者の側で証明しなければなりませんので、その点も注意を要します。

ここがポイント!

中古車は一物一価。絶対に価格が下がらない車種は存在しない。断定的な表現に惑わされずに、自分でも価格調査を行おう。

■使える法律用語■

断定的判断の提供(だんていてきはんだんのていきょう)
物品、権利、役務などの契約を結ぶときに、将来におけるその価額や受け取るべき金額、変動が不確実な事項に断定的判断を提供することによって、その内容が確実であると誤認させること。