第90回:あなたが気に入らない、と言われ車を売ってもらえなかった!!
カテゴリー: 契約のトラブル
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2009/01/27
Q.気に入らないという理由で売却を拒否できる?
気に入った車があったので購入の話を進めていたのですが、ちょっとした行き違いから店員と口論に。「あなたにはこの車は売りたくない」と言われました。しかし、広告に出しているわけだし、客に売らないというのは筋が通らないのではないでしょうか?
しかし、基本的に買い手側が売り手側に購入をもちかけ、売り手がこれに応じたあとには、一方的に撤回をすることはできません。単に、買主の態度が気に入らないという理由で、販売店側から一方的に売らないと通達するのは、信義に反すると思われます。また、このケースでは、最初に口約束とはいえ購入の話をしていたということなので、売買が成立するであろうことは相互に認識していたと考えられます。そうなると、一方的に売らないと告げるのは難しいのでしょう。
ただし、もしあなたが人前で販売店を侮辱する言葉を吐いたり、代金の不払いをほのまかすなど販売店に不安を与える言動をしていた場合は、販売店の売却拒否はもっともなことであり、反対に名誉毀損や侮辱罪などに問われる可能性があるので注意してください。
A.気に入らないという理由で売買を拒むことは難しいでしょう
広告を出しているということですが、広告は売却の申し込みそのものではなく、勧誘行為とされています。契約とは、買い手が売り手に購入を申し込み、売り手側がそれを承諾したときに成立します。売り手側に売る意思がない場合には、契約自由の原則から売却の意思表示をする必要はありません。しかし、基本的に買い手側が売り手側に購入をもちかけ、売り手がこれに応じたあとには、一方的に撤回をすることはできません。単に、買主の態度が気に入らないという理由で、販売店側から一方的に売らないと通達するのは、信義に反すると思われます。また、このケースでは、最初に口約束とはいえ購入の話をしていたということなので、売買が成立するであろうことは相互に認識していたと考えられます。そうなると、一方的に売らないと告げるのは難しいのでしょう。
ただし、もしあなたが人前で販売店を侮辱する言葉を吐いたり、代金の不払いをほのまかすなど販売店に不安を与える言動をしていた場合は、販売店の売却拒否はもっともなことであり、反対に名誉毀損や侮辱罪などに問われる可能性があるので注意してください。
■ワンポイント法律用語■
契約自由の原則(けいやくじゆうのげんそく)
個人はすべてその意思に基づいて自由に契約を締結し、法律関係を形成することができるとする原則であり、所有権絶対の原則、過失責任の原則とともに、近代私法の三大原則とされる名誉毀損罪(めいよきそんざい)
不特定多数の人に秘密などを知らしめ、その人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず処罰される。この場合の人には、人間、会社、団体などが含まれる日刊カーセンサーの厳選情報をSNSで受け取る
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