Q. 根負けして契約してしまいました・・・。契約解除できますか?

迷っていたら、長々と引き留められてつい契約書に捺印してしまいました。契約取り消しは可能ですか?

A. 中古車販売店は誰でも出入りできる店舗。長々引き留められたからといって契約の取り消しは難しい

消費者契約法では、客が帰りたい意思を示したにも関わらず、店員がその場所から退去させなかった場合には、契約を取り消すことができる旨が明記してあります。本件もこれに該当すれば、契約を取り消せます。ただし、適用される場合の典型例は、もともと購入の意思がなかったのに、キャッチセールスなどでマンションの一室のような閉鎖的な事務所に連れて行かれた場合などを想定しています。

中古車販売店の場合は、購入の意思をもって自ら足を運んでいること、通常誰でも出入りができるオープンな店舗ですので、帰ろうと思えば帰れる状況と認められ、契約の取り消しは難しいでしょう。

それでは、もしも、脅迫じみた言葉などにより「購入するまでは帰さない」と言われた場合、その販売店で似たような被害が多数あったり、ICレコーダーなどによる録音があったりすれば、それらを証拠に契約の取り消しは可能です。

ここがポイント!

客が退去の意思表示を示しているのに店員が退去させずに結んだ契約は取り消しが可能。ただし、自らの意思で足を運んだ場合は難しい。

■使える法律用語■

消費者契約法(しょうひしゃけいやくほう)
消費者は事業者より情報力や交渉力が劣っているという考えから、消費者の利益を擁護する目的でつくられた。消費者と事業者の間で結ぶすべての契約が対象。一定の場合に消費者に契約の取消権を与え、消費者の利益を守る。