▲中古車には「登録(届出)済未使用車」「修復歴車」などの種類がある ▲中古車には「登録(届出)済未使用車」「修復歴車」などの種類がある

中古車の種類を購入の参考に!

ひと言で中古車といっても、実は下記のように分けられる車がある。車を選ぶ際に参考になるので、ぜひ覚えておこう。

【登録(届出)済未使用車】
(社)自動車公正取引協議会(以下、公取協)では、初度登録(届出)された車両で、かつ、使用又は運行に供されていない車を登録(届出)済未使用車と定義している。一般的には「新古車」と呼ばれたりもするが、この表記は新車との違いがわかりにくいため、自動車公正競争規約により表記が禁止されている。

走行距離は100km以下で、新車の香りはもちろん、メーカーによる新車保証がたっぷりと残っている。その割に初度登録が済んでいるので、中古車扱いのため車両本体価格は新車より安い。また購入時には自動車重量税の支払いが不要になる(ただし相当分の価格が車両本体価格に含まれていることが多い)。

新車と違って色を指定したり、メーカーオプションを追加できないが、お気に入りの色や装備を備えた登録(届出)済未使用車を見つけたら、すぐに問い合わせた方がいいだろう。

【修復歴車】
公取協が定めた8ヵ所(下記参照)や、オークション(販売店が中古車を売買する市場のようなもの)独自の規定箇所を修復した中古車のことを言う。

カーセンサーでは公取協の定義に基づいて修復歴の有無を表示することにしている。「修復歴車=事故車」と解釈している人も多いが、いわゆる交通事故を起こした車でなくても、この部位を修復していれば修復歴車となるし、逆にバンパーのこすりキズやドアのへこみを直しただけでは修復歴車とは呼ばない。

最近の技術できちんと修復されていれば大きな問題はないのだが、購入を敬遠する人が多いので、他の中古車に比べて割安に手に入れることができる。

■公取協による修復歴車の定義
(1)フレーム
(2)フロントクロスメンバー
(3)フロントインサイドパネル
(4)ピラー
(5)ダッシュパネル
(6)ルーフパネル
(7)ルームフロアパネル
(8)トランクフロアパネル
公取協の基準では(1)~(8)のいずれかを修復した車を修復歴車と定義している。

【並行輸入車】
正規輸入代理店を通さず、販売店が独自に海外から直接仕入れた輸入車のこと。新車として日本で登録する新車並行(新並)と、すでに海外で登録された後、日本へ持ってこられた中古並行(中並)とに分けることができる。日本には未導入だった車種やグレード、また今や手に入れにくくなった古い中古車が並行輸入車として仕入れられているケースもある。

【車検整備付、車検整備別、車検整備無】
いずれも車検残のない中古車のことを言うが、その違いは購入時に必要となる法定24ヵ月定期点検整備(商用車の場合は法定12ヵ月定期点検整備/以下車検整備)が車両本体価格に含まれているかどうかということ。「車検整備付」は含まれていて、「車検整備別」と「車検整備無」は含まれていないことを表す。

つまり「車検整備別」と「車検整備無」と表記された中古車は、購入時に車両本体価格とは別に車検整備費用だけでなく、自動車重量税など登録に関わる諸費用が必要となる。

また「車検整備別」は車検整備を実施するが、「車検整備無」は行われない。そのため別途車検整備を別の民間工場などで行う必要がある。「車検整備無」の車は中古車の購入に慣れている人向きだと言えるだろう。

【車検 ○年○月】
「○年○月」とは、例えば「2016(H28)年4月」の場合、2016(H28)年4月まで車検が残っていることを示す。そのため、購入時に車検を受ける必要はない。

【新車未登録、国内未登録】
「新車未登録」とは販売開始から登録されていない新車のことで、登録後の車検残期間は36ヵ月ある。また「国内未登録」とは、日本国内で登録を受けていない並行輸入車で、走行距離に関わらず登録後の車検残期間が36ヵ月あることを示す。

新車並行であれば、購入時、車検整備費用は不要となるが、自動車重量税や登録に関わる手数料などの諸費用は別途必要となる。中古並行であれば、車検整備費用も必要になるのが一般的だ。

【認定中古車】
認定中古車は、まだ輸入車の中古車に対する信頼度が低かった頃に輸入車インポーター自らが整備基準を作って品質を高めようとしたことがきっかけで生まれた。先駆者はBMWだが、今では多くの輸入車のインポーターが同様の認定中古車の基準を定めている。

整備内容は各社で異なるが、50~100項目前後の点検に加え、バッテリーやブレーキパッドまでを交換したり、さらには1年間の無料保証や24時間エマージェンシーサービスを付けるなどかなり充実している。その分価格は高めだが、特に初心者には安心できる中古車だと言えるだろう。
 

text/カーセンサー編集部