車買取店の選び方から売るコツまでガイド！ 買取店を徹底比較
2019/03/27
▲車買取店は会社ごとに個性があり、それが判断基準になる最適な車買取店の見つけ方を考える
車の売却先として、すっかり一般的になった車買取店。しかし買い取りを主な業務として行っている会社は大手と言われる所だけでも10社近く存在し、違いが分かりにくい。そこで買取店を選ぶ基準や買取各社の違いについて解説、買取店で車を高く売るコツを紹介しよう。
車買取店のサービス内容
まずは買取店の説明から。買取店の仕事は、車を個人から買い取り、販売店が車を仕入れるオートオークションなどに売却すること。そのため、車を査定して売る側と契約が成立したら買い取り、売却金を入金するのが主な業務の一つだ。
買取店の強みは、ディーラーでの下取りなどに比べて高い査定額をつけられること。買い取りが専門だから車種や仕様ごとのオークション相場に精通していて、自社の利益が出るギリギリの金額を提示できる。
加えて多くの買取店では店頭だけでなく、売りたい人の自宅まで出向いて査定や引き取りを行う出張買い取りなどのサービスにも無料で対応している。最近ではサービスがさらに多様化。買い取りだけでなく、車の販売や、ローンの返済サービスなども請け負う店舗が増えてきている。
買取店を選ぶ基準
車を高く売るためには適切な売り先を選ぶことが大切。だが買取店のTVCMやウェブサイトを見ても、他社との違いはよく分からない。どんな基準で選べば良いのか、考えてみよう。
・店舗数、会社の規模で選ぶ
「車の売り先は大手ほど安心」というのは一理ある。中古車の売却はそもそも売却額の相場すら分からず、売る側にとっては不安要素が多い。最近は減ったが、昔は「契約後に見積額を変更された」「売却したのに名義変更されない」といったトラブルも少なくなかった。
大手の買取店は直営店とフランチャイズ店があり、後者の割合が多い会社ではすべての店でサービス内容が均質なわけではない。だが、トラブルを未然に防ぐため、最低限のガイドラインはきっちり定められている。
名前が知られた大手社は、トラブルが起きるとブランドの信用を大きく損なう。そのため、サービスや接客の指導に力を入れている可能性が高い。大手の中でも事業規模は大小あるが、代表的な大手買取店は比較的、信頼できると言えよう。
・会社ごとの強みで選ぶ
「車を引き渡してから入金までのスピードが早い」「自社内に鈑金塗装工場を持っているのでキズがあっても高く買い取れる」など、大手の買取店は自社の個性を打ち出している。各社が謳う強みと、自分が求めていること、所有している車の個性がマッチしているかも検討のポイントだ。
・サービスの品質で選ぶ
「査定額だけでなく、接客態度や手続きのスムーズさも大事」という人もいるだろう。当然、サービスの質は選考基準となる。ある程度ネットの口コミやオリコンの顧客満足度調査などは参考になるが、対応の良さは会社どころか店舗やスタッフ個人によって異なる。様々な情報を集め、総合的に判断するしかない。
・オプションで選ぶ
乗り替えのサポートや、各種手続きを代行してくれる「ローン返済サービス」の有無など、買い取り以外のサービスが充実しているかも判断材料。どんなサービスを行っているか各社のホームページで確認すべし。
・査定額の高さで選ぶ
車を売りたい人にとって最も重視したいのは、おそらく査定額だろう。大手の買取店は査定額の基準を定めているが、店舗ごとの個性やスタッフの判断に任せている部分が大きい。同じ会社でも店によって、査定する人によって数万円という単位で売却額が異なることもある。
また改造車や故障車、不動車などは大手の買取店でなく、小規模でも専門特化した買取店の方が高く買い取ってくれることがある。「ここに行けば高く売れる」と一概に言えないため、査定額の高さはで店を選ぶのは難しい。
だからこそ、複数の買取店に査定してもらうことが重要。自分で複数の店舗を回ってもOKだし、一度の申込みで複数の買取店に依頼できる一括査定を利用するのもありだ。
車を買取店に高く売るヒケツ
買取店の査定時、ちょっとした交渉のポイントを押さえておくだけで査定額アップする可能性がある。
・査定前に洗車しておいて損なし
毎日大量の車を買い取るスタッフとしては、できるだけ手間をかけずに売れる車が欲しいもの。汚れている車よりはキレイな車の方が引き取り後の手間がかからず、即座に売れる。だから、あらかじめ洗車しておくと「少し査定額を上げてもいいか」という心理を引き出せる可能性がある。
また、塗装などのコンディションを正確に判断してもらえるという利点もある。汚れていると正確な判断ができないこともあり、無傷なのにキズがあることを前提に査定されても文句は言えないのだ。
▲査定前は少なくとも塗装や内装の状態が分かる程度にキレイにしておくこと・アピールポイントを書き出しておく
「新車保証期間内である」「高額なメーカーオプションが付いている」「屋内保管で塗装の状態が良好」などアピールポイントは査定時にしっかり伝えよう。査定する側も人間、プラス評価すべきものを見落としてしまうかもしれないからだ。
・事故の修復歴、故障箇所の修理歴は正直に
エンジンなどの修理歴はマイナス要因と思われがちだが、部品が新品に交換されていることでプラスになる場合がある。また、事故歴があることを隠して売却すると、後から買取店に損害賠償を請求される可能性も。車の経歴は包み隠さず報告するのがセオリーだ。
ユーザー評価が高い大手車買取店10選
車買取の代表的な大手10社を紹介。いずれも査定の確かさや手続きのスムーズさには定評がある。各社の特徴を見比べながら、評判がいい「理由」についても解説する（並びは50音順）。
（1）アップル：査定額だけでなく総合力で高評価多し
自社サイトでも顧客満足度調査の高さを前面に打ち出しているアップル。フランチャイズ形式で全国に240店舗（2018年8月現在）を展開している。海外に独自の販売経路を持っており、低年式車や過走行車にも強いのが特徴だ。査定の確かさだけでなく「接客態度が丁寧だった」「売却までの手続きがスムーズだった」など、サービスが行き渡っていることを評価する声も多い。
▲フランチャイズでも接客力の高さなどで高評価を得ている ※出典：アップル公式サイト
（2）オートバックスカーズ：常識にとらわれない査定スタイルに魅力
カー用品販売の最大手、オートバックスでは車の買い取りも行っている。ネット上の評判は上々で、他の買取専門店と比べても決して悪くない。その理由は明快で信頼性の高い査定方法だ。塗装膜の厚さを計測し、再塗装されているか否かを判断。スタッフが専用タブレットに情報を入力すると全店舗統一の基準で査定額が算出されるシステム「査定Dr.」を導入している。スタッフの経験則やカンに頼らない確実な査定が魅力だ。
また、一般的な買取店では契約しないと見積書を出してもらえないのが、オートバックスでは査定直後に見積書を発行してくれる。その見積書をもって他の買取店に行き、交渉できるのもポイント。高級アルミホイールなど社外カー用品を高めに評価してくれるのもうれしい。
▲買取専門店とは異なる査定方式、サービスを導入 ※出典：オートバックスカーズ公式サイト
（3）ガリバー：業界最大手の規模を活かした査定
直営店を中心に全国に約550店舗を展開している実績をもつ文句なしの大手。もともと1990年代に車の販売業から分社という成り立ちだけあって、買い取った車の販売も得意。その分、中間マージンがカットできるため、高額査定を出してくれやすい。車の取り引きが多いので、各車種のセールスポイントに詳しく、プラス査定を狙いやすいのも特徴だ。
▲T-UPに次ぐ店舗数の多さも高ポイント ※出典：ガリバー公式サイト
（4）カーセブン：査定当日に現金が手に入る
カーセブンは全国に160店舗（2018年12月現在）を展開する車買取店。同店舗内で中古車の販売と買い取りを行っており、グループ全体の年間販売台数は17万6000台。その約3割が自社で買い取った車なので中間マージンがカットされ、高額査定が出やすい。「車引き渡しから7日間まではキャンセルできる」「売却額の10％（上限5万円）を車引き渡し当日に支払う」など、独自のサービスで安心感抜群だ。
▲売却時の安心感をウリにしているカーセブン ※出典：カーセブン公式サイト
（5）カーチス：堅実さで高評価
全国に44店舗（2019年3月現在）と店舗数はさほど多くないが、創業30年以上と比較的歴史が長く、利用者からは接客態度などの評判の良い。自社での販売にも力を入れ、業者向けに車の売却・情報提供などを行う「カーチス倶楽部」を展開するなど、独自の流通システムを開拓。中間マージンを削減した分、査定額も上げりやすい。
▲買い取った車を業者向けに安く売却するなど、独特の流通経路を持つ ※出典：カーチス公式サイト
（6）T-UP：全国のトヨタディーラーが拠点という利便性
自動車メーカー直系の買取部門がT-UP（ティー・アップ）だ。トヨタのディーラーで査定と買い取りを行っているため、拠点数では業界トップクラスとなる。自社買取と自社販売を行うことで中間マージンをカットし、高価で買い取ってくれる。どのメーカーの車でも買い取ってくれるが、得意なのはやはりトヨタ車となる。
▲最寄りのトヨタ・ディーラーで車を売れる利便性はT-UPならでは ※出典：トヨタT-UP公式サイト
（7）ネクステージ：LINEで素早く査定できる
SUVや軽自動車、セダン、スポーツカーなど店舗ごとに専門特化した中古車販売店を全国に100店舗以上展開。販売だけでなく買い取り業務も行っている。販売力が高く、販売と買い取りを直結させて中間マージンを減らしているため、査定額も高め。LINEで簡単に査定してもらえる独自のサービス「LINEで車査定」も話題だ。
▲販売業をビジネスの中心として、買い取りにも力を入れている ※出典：ネクステージ公式サイト
（8）ビッグモーター：自社工場があるから車の程度が悪くてもOK
TVCMでもお馴染みの、近年急成長を遂げている車買取店。店舗数も全国307ヵ所（2019年2月時点。オープン予定も含む）と、買取店の中ではガリバーに次いで多い。特徴は自社工場を持ち、販売から買取、車検、修理、板金塗装、保険まで、顧客のカーライフ全般をサポートできる「ワンストップショッピング型」のサービスにある。キズや故障などを低コストで直せることで高価買取につなげているのだ。各店舗には大型の中古車販売店を併設しており、乗り替えに便利なのも長所だ。
▲最新の整備・鈑金塗装設備が自社店舗内にあるのが強み ※出典：ビッグモーター公式サイト
（9）ユーポス：オークション会場と直結している強み
西日本最大級のオートオークション会場「ベイオーク」の買い取り事業部として、1995年に発足。その後、独立した。多くの買取店と違い、買い取った車を自社で直接販売しない。素早くオークションに流通させることで在庫や展示にかかるコストを削減し、高価買取につなげている。またグループ内に輸入車販売店を持っており、輸入車の買い取りにも強い。最速で車引き取りの翌営業日には売却金が振り込まれるのも魅力だ。
▲創業の地である関西エリアではガリバーなどと比肩するメジャーさ ※出典：ユーポス公式サイト
（10）ラビット：オークション会場との連携で査定に強い
フランチャイズ店を中心に、全国の140店舗以上を展開するラビット（2019年3月24日現在）。実は日本最大級のオートオークションである「USSオークション」の100％出資子会社だ。中古車市場に流通する車のほとんどが、中古車関連業者のみが参加するオートオークションを経由する。その最大手と連携し、落札相場を常にウォッチしているから査定額がブレないのは当然。ただフランチャイズ中心ゆえ、接客の品質などは店舗による。
▲オートオークションと連携した情報力が長所 ※出典：ラビット公式
複数の買取店からベストな売却先を見つけよう
ここで紹介した大手買取店は、いずれも「カーセンサー簡単ネット車査定」の提携会社。つまり、事前に選ばずとも必要項目を入力するだけで複数の大手買取店に査定してもらえる。ここでの情報も参考にしながら、査定額や条件を見比べて最適な売却先を選ぼう。