出張買取は持ち込みよりオススメ！ 手順とポイントをまるっと説明

▲自宅にいながら査定から売却の手続きまで済ませられる出張査定で、車の売却を時短しよう

出張買取って何？

店頭まで行かなくても自宅で車を査定、引き取りまでしてくれる出張買取（出張査定）。忙しい人にはとても便利なサービスだが、メリットだけでなくデメリットは？ 追加費用は？ 実はよくわかっていない出張買取の実態を解説する。

出張買取が無料な理由

現在、買取店の多くが出張買取に対応している。しかも、ほとんどが無料。売り手が店舗に車を持ち込む場合に比べると、買取店の労力と時間がかかるサービスであるはずだが、無料なのはなぜか？ それは買取店が少しでも多くの車を手に入れたいからだ。

店舗でお客を待っているだけでは、扱える台数に限りがある。それなら多少、時間と労力がかかっても出張査定に対応する方が買取店にとっては得策なのだ。

買取店は競争が激しい。ライバル店が無料で出張買取をしたとなれば「ウチは有料で」というわけにはいかない。小規模な買取店は他社に先駆けて連絡して大手に対抗したいので、出張査定にも積極的なようだ。

▲査定時に車の保管状況を伝えられるのも、売り手にとってのメリット

持ちこみ査定と出張査定の売却額が同じ理由

査定や引き取りが無料なのだから、売却額は持ち込み買取でも出張買取でも同じ。もし査定額で差をつけてしまったら、無料とは言えないからだ。

もちろん出張してくるのだから、買取店には店員の人件費や移動にかかる交通費などが発生している。実はそうした経費は、持ち込み買取と出張買取で等しくなるよう金額が均されているのだ。

査定額が同じなら当然、手軽に査定してもらえる出張査定を利用すべき。査定額に満足できなかったとしても、次の店舗への移動時間も労力もガソリン代もかからないから、複数の買取店に査定してもらいやすい。

出張買取の流れ

自分で買取店を見つけて査定依頼する場合も、一括査定で申し込む場合も、どちらも出張査定を依頼できる。それぞれの手順は以下の通りだ。

■自分で買取店を見つけて査定依頼
・STEP1　買取店を決める
・STEP2　査定してもらう
・STEP3　必要書類を揃える
・STEP4　車と必要書類を引き渡す
・STEP5　入金を確認する

自分で買取店を見つけて出張査定してもらう場合、必要書類さえ揃っていれば査定当日に契約し、車を引き渡すことも可能。つまり上記のSTEP2～4を同時にこなせる。予約時に当日引き渡しが可能かどうかは店舗に予め確認しておこう。

■一括査定を利用
・STEP1　一括査定に申し込む
・STEP2　査定してもらう
・STEP3　売り先を決める
・STEP4　必要書類を揃える
・STEP5　車と必要書類を引き渡す
・STEP6　入金を確認する

一括査定を利用する場合、出張査定を前提に話が進むことがほとんどだ。

申し込み直後に複数の買取店から連絡が来るので順番に日時を決める。査定当日、ほとんどの買取店はその場で査定額を提示してくれるので、提示された金額が最も高く、条件に納得できる売り先を選ぼう。

多くの買取店に査定してもらうと売却に時間がかかるが、それでも効率的に進めれば、申込みから車引き渡しまで一週間程度で済む。ちなみに「カーセンサー簡単ネット車査定」では、候補の中から査定依頼する買取店を絞ることも可能だ。

出張査定で見られるポイント

査定内容は、店舗持ちこみでも出張査定でも同じ。外観はキズやヘコミ、錆びの有無や塗装の色褪せ、修理跡などもしっかりチェックされる。内装はシートのヘタリや生地の傷み、車内についたニオイなどを確認する。

エンジンやサスペンションなどについては限られた査定時間の中なので、実際に走って確かめることはほとんどない。エンジンルームを空けてオイルなどのシミがないか、エンジンを掛けたときに異音がしないか、チェックランプが点いていないか、といったごく簡単な確認で済まされることが多い。

査定の基準は車種によっても、買取店によっても異なる。JAAI（日本査定協会）では国産車を「軽」から「特C」までの8クラスに分けた上で、キズの大きさなどに応じた減点数を詳細に定めている。

▲ボディパネルの部位とキズの程度ごとに減点数を定めたJAAIの細則。車のクラスによって係数が決められており、同じキズでも大きく高級な車ほど減額が大きくなる

例えばクラスIVにあたるコンパクトカーの場合、塗装で直せる1cm以上、カードサイズ（JAAIの表記そのまま）未満のキズがボディにあると一ヵ所につき10～40点の減点（キズの大小、部位によって異なる）。1点＝1000円なので1～4万円のマイナス査定となる。

塗装だけでなく鈑金も必要な場合には15～80点＝1万5000～8万円の減点。最も減点数が大きいのは、ルーフに付いた鈑金が必要なキズとなっている。

なお、外装にキズも修復跡も一ヵ所もない場合は最大40点＝4万円のプラス査定となる。

▲まったくの無傷なら高値での買い取りが期待できる

限られた時間内で査定しなくてはいけないので、買取店もJAAIの基準どおりにきっちり査定額を算出するわけではない。業者だけが見られるオートオークションの落札履歴から同年式で近いコンディションの同車種を探し出し、その価格を上限に設定することが多いようだ。

出張査定の前にすべき準備

少しでも高く買い取ってもらうために、出張査定前には必ず洗車と車内清掃をしておこう。キレイに見せるためではない。しっかり見てもらうために洗車と掃除をするのだ。

査定基準に「洗車してあるかどうか」は含まれていないが、ボディが汚れていると細かく確認できず「キズがあること」を前提に査定額を出されることもある。それも内装も同様。しっかり洗車、清掃をして無用な減額をなくそう。

▲査定前の洗車は、洗車機にかけるだけで十分。要は車のコンディションが確実にチェックできれば良い

出張買取はメリットしかない

最後に売却時のポイントをひとつ付け加えよう。車を売ると決めたら、できるだけ乗らないこと。移動中に事故を起こしたら大幅な査定ダウンとなってしまうからだ。

自宅の駐車場で査定も、車の引き渡しもできる出張買取は、そうしたリスクをゼロにできる。手間がかからないことや、複数の買取店に査定してもらいやすいことも踏まえると、出張買取はベストな売却手段と言えるだろう。