'72 VANDEN PLAS PRINCESS 1300V.P.P

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2014年11月7日、日本のモータージャーナリズムの巨匠、徳大寺有恒氏が他界されました。日本の自動車文化に多大な貢献をされた徳大寺さんを偲び、カーセンサーEDGEに約5年にわたり連載された「VINTAGE EDGE×徳大寺有恒」を美しい写真と巨匠の一言とともに振り返ります。今回は、「'72 VANDEN PLAS PRINCESS 1300V.P.P」、「'58 PORSCHE 356 SPEEDSTER」、「'78 LANCIA BETA COUPE」、「'72 LAMBORGHINI JARAMA」です。実際に掲載された記事をPDFで公開しています。

【'72 VANDEN PLAS PRINCESS 1300V.P.P】 小さくても高級なモデルは一日にしてならないんだよ

'72 VANDEN PLAS PRINCESS 1300V.P.P

1898年からイギリス、ベルギーにて自動車の製造を行ってきたヴァンデン・プラ(現在ブランドは南京汽車とフォードが所有)。同社は第2次世界大戦後に起きた大不況の影響でオースチンに吸収され、1952年にはそのオースチンも巨大自動車グループのBMCの一員に。当時、BMCの主力シリーズであったADO16の高級車バージョンを作る役割を与えられた。そうして1964年に生まれたのが、小さな高級車であるプリンセスだ。他のADO16とは違う高級な仕立てが高く評価され、人気を得る。



【'58 PORSCHE 356 SPEEDSTER】 魅力があるから、現代にもちゃんとクルマが残るんだよ

'58 PORSCHE 356 SPEEDSTER

356は1948年から製造され、ポルシェの名前を受けて発売された最初のモデル。細かい仕様変更をしながら生産を続け、1955年からをA型、1959年からをB型、1963年からをC型と呼ぶ。A型以前のスピードスターは市場に流通する機会は少なく、見かけるのは約1700台が作られたA型のものとなる。簡素な幌を装備し、よりスパルタンに仕上げられた走りを支持する人は今も多く、中古車市場でも高値で取引されるケースが多い。撮影車両はアメリカにてレストアされた希少な良コンディション車。



【'78 LANCIA BETA COUPE】 ランチアの精神が強く残っている、希少なクルマだね

'78 LANCIA BETA COUPE

1969年から1984年まで製造されたベータに1973年から追加されたクーペモデル。ランチアがフィアット傘下に入って最初のモデルであり、様々なフィアット社の技術が使用されている。前身のフルヴィアから受け継いだ前輪駆動に組み合わせるエンジンはフィアット124も積んでいた直列4気筒ユニット。サスペンションも128と同じ4輪独立サスペンションが採用されている。設計チームは旧ランチア時代のスタッフで揃えられていた、非常に珍しいポジションの車。



【'72 LAMBORGHINI JARAMA】 スーパーカーをこうやって真摯に作るのは難しいんだよ

'72 LAMBORGHINI JARAMA

1970年から1976年まで生産されたランボルギーニのGTモデル。エスパーダのシャシーを30cmほど短くし、車両の設計は当時のチーフエンジニアであったパオロ・スタンツァーニ、デザインはミウラなどと同じくベルトーネに依頼され、チーフデザイナーであったガンディーニが担当した。デビュー時は4L 350馬力の350GTだったが、1972年に改良され、365馬力の350GTSへと進化。総生産台数は400GTが176台、400GTSが328台。同世代のスーパーカーに比べるとややおとなしい1台であった。