M・ベンツCLSクラス
1回乗車あたりの走行パターンが「ちょっとそこまで」という車より、長い距離をズバッと走ることが多かった結果いわゆる多走行となってしまった車のほうが、機械的コンディションも美観も上・・・というケースは少なくない。下写真は伊達私物の94年式ランチアデルタで、同型・同年式のなかでは比較的多走行な6.2万kmだったが、特に問題はない。っていうか快調で、内外装もかなりキレイだ。
ランチアデルタ
●伊達軍曹公式サイト「伊達軍曹.com」
http://www.sgt-date.com

「多走行的お宝物件」は、(たまにだが)確実に存在する

下手するとドツボにハマる可能性もあるため、その運用には慎重を期す必要があるが、不肖軍曹が本日提唱したい検索軸は「あえての多走行物件」である。例えば、中古車の年式としてはごくノーマルな4~5年落ちでありながら、走行距離が8万kmだったり10万kmだったりというアブノーマルな(?)数値を示している物件群のことだ。

「畳と女房は・・・」ではないが、一般的に中古車の走行距離というのは少なければ少ないほどうれしいもので、実際、走行短め物件のほうが多走行車よりも何かとコンディションが良い場合は多い。

が、それはあくまで「良い場合が多い」であって、「必ず良い」ではない。

「近場のちょい乗り×ウン百回」というのは車のコンディションにとってあまり良いことではなく、どうせ乗るならば長い距離をイッキに走るほうが、機械的にも内外装美観の維持という面でも実は好ましいのだ。

ということで、全部が全部ではないが、たまにあるのだね、「多走行的お宝物件」ってやつが。

ちょい乗りばかりの4万kmより高速道路メインの10万km?

例えばの話、「仕事の都合で東京~名古屋間の車移動を繰り返し、気がつけば新車時から5年で走行距離は11万km。その間の整備は地元の正規ディーラーに男の丸投げ。タバコ? そんなもの吸いませんよ。で、2回目の車検を期に別の車に乗り替えました」なんてタイプの前オーナーが手放した走行10万km超の08年式は、近所のちょい乗りを繰り返した走行4万kmの同年式・同型車よりも、エンジンフィールを含め断然コンディションが良い可能性がある。

しかし、「11万km」という数字は売り物としての中古車にとってはかなり重い十字架で、いくら「コンディションはいいんですよ!」と力説したところで、売却額も、その後の再販価格も、どうしたって安くなる。ということはすなわち、「モノは良いのに格安」という掘り出し物が生まれる可能性がそこにあるわけである(あくまで『可能性』であるが)。

繰り返しになるが、すべての多走行物件が掘り出し物なわけではなく、「ただただボロい」という多走行車も多い。が、バリューフォーマネーな選択を狙うなら、そこに注目してみる価値は大いにある・・・という話だ。

ということで、今回の伊達セレクションはずばりこちら。
あえての多走行車に、ある意味賭けてみませんか?

文・伊達軍曹 text/Sergeant DATE