ホンダ インサイト VS トヨタ プリウス PART4:ハイブリッドカーとして優れているのは?
2009/04/16
PART4 ハイブリッドカーとして優れているのは?
ホンダ インサイト
↑オプション装備のHDDインターナビを装着すれば、エコ運転度採点履歴や燃費向上アドバイスなどのエコ情報がよりわかりやすく得られる。また、ECONスイッチをオンにすることで、アイドルストップ時間の延長やエアコンの省エネ制御など、燃費を優先するECONモードに切り替わる |
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トヨタ プリウス
↑7インチワイドディスプレイに表示されるエネルギーモニターでは、エンジンやバッテリー、モーターなどの状況がリアルタイムかつグラフィカルに表示され、エコドライブの手助けに。軽い力でシフトチェンジが可能なエレクトロシフトマチックの小型レバーが、特別な車感を演出する |
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ショールームに足を運ばせる“呼び水”となったインサイト
1万点以上、他車との部品の共用化を実行するなどコストダウンを徹底し、189万円と意欲的な価格設定で登場した2代目インサイト。立ち上がりの評判は上々だったようで、インサイト以外のユーザーもショールームに足を運ばせた“呼び水”の役目も果たしたようだ。何しろ世界的に暗い話題ばかりの目下の自動車業界だから、そうしたイイ話は耳に入ってきてもホッとさせられる。他方で、5月になれば新型プリウスが正式に登場する。すでに発売前の段階で新型プリウスは予約受注が(受注開始1週間で)1万台を超えたとか。インサイト潰しなどといわれ、従来型も併売するという戦略も過激だが、ハイブリッド車のパイオニアだから、次の車の実力も気になる。
過日にリポーターも次期型のプロトタイプに試乗する機会があったが、現行型プリウスとは燃費、走行性能、スタイルなど、あらゆる面が進化したのを実感したのは確か。だが同時に、だからといって現行プリウスが極端に色あせて見えるわけでもないのはすでに触れたが、唯一無二の、プリウスならではの完成度の高さを物語っている。その意味では、現行型プリウスのオーナーは、たとえ新型に触れても、大きく落胆することはないと思う。
そんなタイミングだが、新型インサイトは当然ながら現行プリウスをターゲットにして開発されたはずだから、今回はインサイトと現行プリウスを、今の段階で対決させてみた。そして今回の検証で実感したことは、インサイトとプリウスはやはり“似て非なる車だ”ということだった。
「エコロジー」なプリウスと「エコノミー」なインサイト
「エコ」と表現できる要素には「エコロジー」と「エコノミー」があるとすれば、より「エコロジー」なのは、やはりプリウスのほうだ。とくに条件が揃えばモーター駆動のみでエンジンに火を入れずに発進できることは、エコロジーなスタイルを意識するユーザーの感性を刺激する。一方でインサイトは、2シーターだった先代とは打って変わり、実用的な4ドアボディを得て、とても手頃でエコノミーな車の姿を実現してみせた。そのうえでハイブリッド車専用メイクという点で、同門のシビックハイブリッド以上のプレゼンスも発揮している。
ミニバンほどの使い勝手は必要としないが、扱いやすく、価格も維持費も手頃なセダンならウェルカム…そんな考えのユーザーの琴線に響く車であることは間違いない。アイドリングストップを取り入れている点も、エコノミー感覚が実感できるスペックの一つだ。
出鼻をくじこうなどと毛頭思わないが、インサイトは、この車を突破口にホンダが得意分野とするコンパクトカー、スポーツカーの新しい姿が今後実現される、その先兵となれば…と、今後に期待したい。プリウスはプリウスで、よりスペックを磨き込んだ新型の登場が間近だが、ハイブリッド車のイメージリーダーとしての実力、世界観は、今後もブレずに作り上げられていくのだろう。
今回のまとめ
インサイトの実力、経済性に一定以上の理解を示しつつも、今回は一歩先にハイブリッド車としての世界観を構築したプリウスの“功績”を評価しておきたい。次回予告
インサイトとプリウス2台の
一般道/高速道路300kmの燃費テストだ!
インサイトとプリウス2台の
一般道/高速道路300kmの燃費テストだ!
今回のテスト車両
ホンダ インサイト | |
---|---|
テスト車両 | L 205.0万円 |
駆動方式 | 2WD |
トランスミッション | CVT |
全長×全幅×全高(mm) | 4390×1695×1425 |
ホイールベース(mm) | 2550 |
車両重量(kg) | 1190 |
最小回転半径(m) | 5.0 |
乗車定員(人) | 5 |
エンジン種類 | 直4SOHC+モーター |
総排気量(cc) | 1339 |
最高出力 [kW(ps)/rpm] |
65(88)/5800 +10(14)/1500 |
最大トルク [N・m(kg-m)/rpm] |
121(12.3)/4500 +78(8.0)/1000 |
使用燃料 | 無鉛レギュラー |
燃料タンク容量 | 40L |
10・15モード燃費 (km/L) |
30.0 |
実用燃費 (km/L) e燃費提供 |
18.2 |
タイヤサイズ | 175/65R15 |
トヨタ プリウス | |
---|---|
テスト車両 | S 227.0万円 |
駆動方式 | 2WD |
トランスミッション | CVT |
全長×全幅×全高(mm) | 4445×1725×1490 |
ホイールベース(mm) | 2700 |
車両重量(kg) | 1260 |
最小回転半径(m) | 5.1 |
乗車定員(人) | 5 |
エンジン種類 | 直4DOHC+モーター |
総排気量(cc) | 1496 |
最高出力 [kW(ps)/rpm] |
56(76)/5000 +50(68)/1200-1540 |
最大トルク [N・m(kg-m)/rpm] |
110(11.2)/4000 +400(40.8)0-1200 |
使用燃料 | 無鉛レギュラー |
燃料タンク容量 | 45L |
10・15モード燃費 (km/L) |
35.5 |
実用燃費 (km/L) e燃費提供 |
19.9 |
タイヤサイズ | 185/65R15 |
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ホンダ インサイト VS トヨタ プリウス PART4:ハイブリッドカーとして優れているのは?/旬ネタ
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